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総馬電鉄京上線 特急争奪合戦

嘗て、総馬電鉄京上線で特急車両の置き換えを実施する際、それに合わせて大規模な改定を実施した。今回は、その改定によって沿線自治体同士が争った、ある出来事を特集したいと思います。

□前略…


体育祭の風習として、組み分けの際、よくあるのがいわゆる紅白戦というもので、赤組と白組に分かれて競い合います。
 それが京上線のお膝元である群馬県は違い、群馬三山のうち、赤城山と榛名山の名前から取り、赤城組対榛名組という分け方になり、さらに妙義や白根などと、群馬県にある山の名前の組を追加する場合があります。
 それはさておいて、終われば全て元通りとなる体育祭などとは違い、総馬電鉄の主要路線の1つである京上線、そして分岐する2つの線を舞台に争いが繰り広げられることになるのです。

□改定前の特急


 京上線では、高崎まで(その後、延長されて安中榛名まで)を結ぶ本線と、途中駅から分岐する線路の総称として扱われます。
 京上熊谷より分岐し、赤城山の麓にある京上赤城までを結ぶ赤城線。そして京上深谷より分岐し、榛名山のお膝元にある伊香保温泉郷とを結ぶ榛名伊香保線。両線とも沿線利用は無論ですが、赤城線は赤城山周辺のハイキング客を見込み、榛名伊香保線は文字通り伊香保温泉を訪ねる温泉客を一番のターゲットと見込んでいました。京上線に特急が設定されてからは両線には交互に特急が直通しており、バランスが保てていたのです。

□運転体系改定の計画



△京上線用に投入された7100系
 しかし、総馬電鉄が特急車両を置き換えることを発表した際、それに合わせて特急列車の運行を大幅に変更する計画を発表しました。事の発端は、この変更事項に盛り込まれた運転変更でした。
『今後、特急車両を7000系列に置き換えを行います。その際、列車の種別を見直し、赤城線か榛名伊香保線に直通する特急を格下げして急行列車とし、別の車両へと変更を実施します』
 この地点では曖昧でしたが、既に両線の営業成績を見れば、どちらの線を走る特急が格下げになるかは目に見えていました。当時の営業成績を見ると、榛名伊香保線に直通運転している『榛名』のほうが、圧倒的に成績は高かったのです。無論、赤城の方も乗車率は高いのですが、それはあくまで京上線内とをひっくるめた話で、赤城線内での利用客はさほど多くはありませんでした。榛名伊香保線の場合は、伊香保温泉という名高き温泉郷とを結ぶ路線であり、乗客の違いから見ても、営業成績だけで判断できない部分はあるのですが、どうしても運行形態の改善を図りたい総馬電鉄は、稼ぎ頭である榛名伊香保線への直通列車に特急を絞り、それを補佐する急行を赤城線へ直通させればいいんじゃないか という計画でいたようです。

□黙っていなかった沿線自治体



この計画に黙っていられなかったのが赤城線の沿線自治体などで、この計画に対して猛反発し『特急を存続せよ』や『現状維持でいいじゃないか』と抗議の声を上げたのです。なにしろ、閑古鳥が鳴いているわけでもなく、乗車率はさほど悪くはないのに、それをないがしろにされて、榛名山のお膝元に行く特急に主役の座を取られ、地元に来る優等列車はその主役の補佐的な意味合いの列車になる、ということに理解が出来なかったのです。挙句の果てには『格下げするなら、むしろ榛名のほうだろ』という声まで上がる始末でした。これで飛び火し、ついには伊香保温泉郷のホテル・旅館組合や榛名伊香保線沿線自治体までが怒りの声を上げてしまうのであった。


 これには流石に、総馬電鉄も耳を傾けないわけには行きません。この怒りの声を静めるため、まずは榛名伊香保線沿線自治体などには即座に対応し、声明を出しました。
『榛名伊香保線は総馬電鉄線でも最重要な路線であり、そこを走る特急榛名号は一大看板の列車です。廃止や急行格下げなどは一切ありません』
 この声明を聞いた榛名伊香保線沿線自治体などはホッとした声をあげたそうです。この声明に赤城線沿線自治体は黙っていませんでしたが…。

□妥協案と通告


「総馬電鉄は我々をないがしろにしている」
「榛名伊香保線沿線自治体には即座に特急存続をするという声明を出したのに、こちら側には何も声明を出さない」
 その声に対して総馬電鉄は妥協策を考え、後日に説明を行いました。
「急行列車設定は既に決定であり、追加する停車駅の都合上は撤回は出来ず、計画通りに赤城号は急行として走らせます。しかし、車両は特急として継続する榛名号と同車両での運転とし、所要時間は出来るだけ伸ばさず、速達性を維持します」
 どうしても榛名号を京上線最速達で運転したい総馬電鉄だが、準速達でも同じ車両を使い、そしてダイヤを調整すれば、急行となった赤城でも速達性を出すことが出来ると踏み、妥協案として提示したのである。急行列車ではあるが、実質的には特急列車に近い列車とするというものである。
「これに賛同できないのであれば、今後は赤城線については、優等列車の運転取り止めなど、熟考しなければなりません」
 半ば脅しにも聞こえる事ですが、沿線自治体が総馬電鉄に対して声を上げることは何度かありましたが、赤城線利用率向上に関して、沿線の目線で行動に移している事を、京上赤城駅員をはじめ、総馬電鉄関係者は見たことがありません。それを重く見て、提案と共に通告を突きつけることとなったのです。
 この提案を沿線自治体など、赤城の急行格下げに反対していた人たちは「わがままを言い続けて、列車自体の廃止や路線の廃止という最悪の結果へ至ってしまった例は何例も聞く。我々の地元列車である赤城は準速達となっても、優等列車ということに変わりがないのであれば、それでいいじゃないか」と、渋々了承しました。

□終結


 この妥協案が認められたことを踏まえて、総馬電鉄では京上線用の特急車である7100系が揃った段階でダイヤ改正を実施。
 特急運転を継続する榛名、そして格下げされて急行となった赤城も最新鋭特急車両である7100系での運転を開始し、騒動は治まりました。
 当初の懸念であった、榛名が赤城を途中駅で待たせて追い抜くことはなく、特急時代より少し増やされた停車駅や、特急と比べて安く気軽に利用できるようになったことから、特急時代より利用客が増えている。
 この運転体系は、後に日光急行線でも実装された。こちらは元々より原盤があり、それを改良したとも言うべきですが…。

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