-JR東海の『山男』115系電車の思い出-
2007年3月17日に引退したのは113系だけではない。
113系と同じような車体を持つ『115系電車』も、3月17日、共に引退した。
113系が東海道本線の主力として走っていた影で、
御殿場線や身延線で走っていた115系電車は、
どちらかというと目立たない存在だった。
でも、115系の力強い走行は、
113系にはない魅力があった…。

写真は御殿場線運用に就く115系。
113系とは似て非なる存在だった。

東海道線の運用にも使われていた115系。

115系にはS編成とB編成があり、
S編成は大垣から転属してきた211系により、
置き換えられて運用を終了。
最後まで残ったB編成も、3月17日で運用を終えた。

写真はS8編成クハ115-188
その大目玉ライト車は、異様ではあったが、
昔の面影を良く残していた。

(上)東静岡にて。 (下)沼津にて。
沼津駅5番線に停車中の115系
向かい側の東海道線ホームには113系が停車中。

国鉄時代の面影を十分に残す沼津駅で並ぶ。
まるで国鉄時代にタイムスリップしたような感じ。
両形式が既になき今ではそれも過去の話。
沼津駅5番線停車中の115系。
御殿場線や身延線の主力車両として活躍していた。
引退が近くなると、313系などにより置き換えられ、
夕方などに運用されるに過ぎなかった。

ほとんど、東海道線での運用もなかった。

▲御殿場寄り先頭車(クモハ115)


▲中間電動車(モハ114)


▲沼津寄り先頭車(クハ115)

編成は3両。東海道線で運用されるときは、
単独3連の運用もあれば、
3連を2本つないだ6連の運用もあった。
113系とはカラーリングの他、ドアの構造、
走行音なども違った。

しかし113系とは違う、力強い走行音も魅力の一つ。
JR東日本などでは、まだ現役なのに…。

JR東海からはなくなっても、伊豆急行の200系は、
全車が元JR東日本115系(113系もいたが全廃)。
しかし、新型電車8000系(元東急8000系)の登場で、
3連3本が廃車され、現在は3連5本が現存。
あと何年見ることが出来るのだろうか。

▲下り方向から115系列車が入線。


▲沼津駅6番線到着、乗客降車中


▲カメラを持った一部の人が移動。


▲網棚と車両番号のプレート


▲設置されていた路線図(御殿場線と身延線)


▲多くのファンが見送る中、入庫。
3月17日の午前9時10分。
身延線西富士宮駅からの普通列車が、
ファンなどがカメラを構える中、沼津駅6番線に到着。
最後の客扱い(降車のみ)を行う。

最後の編成はB8編成。雨によって車体がキレイに。

入線する前から、一部のファンは
平気で黄色い線からはみ出して撮影。

発車前、警備員さんが大声をあげて、
『黄色い線まで下がってください』
と繰り返して連呼していた。
ほとんどの方は無視していたのですが…。

そして、入庫するまで、この状態は続いた。

最終日なのに、惜別ヘッドマークがないままの走行。
JR東海が日常の姿のまま、
115系の現役を終わらせたかったのか、
単なる"やっつけ"だったのかはわからない。

でも、『本当に引退するの??』と思うくらいに、
きれいな姿だったのは覚えている。

▲沼津駅6番線停車中の御殿場線列車


▲同駅5番停車中の115系列車。

現在、沼津運輸区と静岡運転所に留置され、
後輩の活躍を見守りつつ、生涯一番静かな時を
113系等とともに過ごしている。

静岡運転所では、入口付近にB11編成が留置され、
後輩たちの見送りや出迎えをしているような、
そんな感じを受けた。

せめて、他の115系たちと一緒にいさせてほしいと
思っている人は自分だけでしょうか…。

113系の陰に隠れた、もう一つの湘南電車『115系』。
他社の仲間の活躍を心から祈りたいと思います。

115系電車。今までお疲れ様でした。
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