『湘南電車113系の思い出』
JR東海の普通電車の重鎮として、主役として、長い間走り続けた113系電車。
しかしながら、今年2007年3月18日ダイヤ改正を持って、全車が引退してしまった。
地元では一番見慣れていた電車だったが、その車両が走っている姿は見られなくなってしまった。
引退してから、既に1ヶ月以上たちますが、『さらば東海道線の英雄たちよ』から名称を変えて、
私が今まで撮影してきた、JR東海113系電車の勇姿を公開していきたいと思います。
長い駄文とは思われますが、最後までお付き合いいただければ幸いと思います。

画像は全て縦240×横320にしてあります。

▲115系(御殿場線)と113系が並ぶ。 その後、沼津運輸区から出てきた113系と115系が並ぶ▲


▲沼津運輸区から出てきた113系. 終点沼津に到着した上り電車の113系▲

終着駅に到着すると、たいがいはそこで折り返すが、御殿場線列車を除き、
沼津止まりの上り列車は、引き上げ線か運輸区へ引き上げる。
そして、この次に充当される列車の時刻が近づくと、駅ホームへはいってくる。
日常茶飯事に行われていたこの光景も、現在では過去のこと。
現在は両形式共に役目を終え、沼津運輸区や静岡運転所構内で、生涯一番静かなときを過ごす。

▲113系3連(C11編成)左:停車中、右:発車後

オレンジと緑の美しい湘南色。たとえ3連であっても変わりない。
その姿で何万人もの乗客たちを運んできたのでしょうか。

▲下り普通電車静岡行発車前(左:三島、右:沼津)

三島を7:49分に出発し、7:55分くらいに沼津に着く。沼津発車までの間に、
特急あさぎり2号を見送り、東京発のE231系普通電車を出迎える。
そして、そのE231系から乗り換えてくる乗客などを乗せて、8時9分に沼津を発車していく。

チャラチャラした服装の女性やスーツに身を包んだサラリーマンとか、
幅広い年齢層の乗客が利用するこの普通電車。
ボックスシートの113系電車は、ある意味では使いづらい列車だったのかもしれない。
この113系電車が引退した事に対する意見は賛否両論であり、
313系電車などのロングシート車を歓迎する人もいれば、逆に113系電車引退を惜しみ、
ロングシート車に批判、313系などを嫌う者もいる(管理人は後者)。

▲引退の近い3月上旬頃の113系4連左:上り熱海行き、右:下り浜松行き

確かに時代遅れな車両であるのは間違いない。
JR西日本には221系や223系などもいるし、JR東日本ではE231系など、バリエーションは豊富。
それに比べれば、JR東海には211系や311系などと、国鉄時代の面影の残る車両が多い。
JR東日本やJR西日本、はたまたJR東日本から113系を譲り受けたJR四国は、
独自色を結構打ち出しているため、JR東海の車両はJRマークは目立たなかったためか、
国鉄時代の面影は十分残っていた感じはする。

▲2007年3月17日、最終日に撮影。(左:沼津駅、右:三島駅)

8連で現れた113系電車は、さよならマークもつけない日常の姿で走った。
「本当に引退するの?」と思ったくらいだが、飾った姿を113系電車自身は望まなかったのだろう。
最後に乗ったのは最終日の午前11時30分くらい、沼津から三島までの一区間。L29編成であった。


思えば、初代湘南電車である80系電車とともに1949年、湘南塗装が登場した。
以後、1962年の111系電車、そして1963年に111系を改良した形で登場した、この113系電車。
JR東日本区間(東京〜熱海)に亡き今、JR東海区間(熱海〜豊橋 等)で残ったものが、
2007年3月18日改正前日の3月17日を最後に引退してしまった。
たとえ113系電車がなくなったとしても、東海道本線の伝統はこれからも残り、
新しいときと共に歩んでいくことでしょう。
現在、沼津運輸区や静岡運転所の構内で後輩たちの活躍を眺めつつ、
浜松までの廃車回送のときを待っている。
日常の中に必ずといっていいほど存在した113系電車。
その日常は思い出となり、鉄道ファンたちの心の中では永遠に現役の車両であろう。
デビュー以来44年間に渡る長い活躍を全うした113系電車、今まで本当にお疲れ様でした。
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